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広島市学童保育連絡協議会
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広島市放課後対策課長 坂本優治 様
2023年7月
広島市学童保育連絡協議会
会長 中村慶一
利用料徴収いったん停止、全施設での外遊び実施、
「やめない指導員」態勢をつくるための緊急要望書
放課後児童クラブ充実のために、日頃よりご尽力、ご苦労いただき、心より感謝いたします。
さて、新年度を迎え、有料化の問題をはじめはやくも浮き彫りになってきた諸問題があります。私た
ちはそれらを放課後対策課と指導員とともに率直な話し合いで解決していきたいと考えています。以下
の要望を前向きにご検討いただき、ご回答ください。
記
●有料化に関わる要望
[1]放課後対策課は、利用料有料化の理由は「利用者の増加」にあると昨年10月の保護者向け通知
で述べています。また、その後の私たちの公開質問状への回答でも、「有料化の本当の理由」はやは
り「利用者の増加」だと明確に述べています。しかし、利用者は「減少」しました。ここでは減少し
た理由は問題にはなりません。市は有料化しても、なお800人程度利用者が増えると推計していま
した。この推計は間違っていました。推計に反し「減少」した以上、当然のこととして利用料徴収を
いったん停止し、保護者に事の次第を説明することを求めます。説明もせずに、利用料徴収を続ける
ことは道義的にも許されることではありません。
[2]放課後対策課は、何らの根拠も示さず「必要性が高い人は、引き続き申し込みをしている」など
と述べて、経済的理由で申し込みさえできなかった子どもの存在を否定しようとしています。必要性
が高くても低くても、放課後の家には、一緒に過ごしてくれる大人はいません。子どもの健全な育成
を図るという機能をもった放課後児童クラブから排除された現実は同じです。児童館を活用しても、
夏休みの午前中は子どもだけで、または一人きりで家庭ですごすことになります。「有料化の影響」
によって「入らない子」「入れない子」が生まれたことを認めた市の責任として、放課後児童クラブ
に通う条件をもちながら通うことができない子どもの安全対策をいそいで講じてください。
[3]「サービス向上策」はもともと保護者のニーズそのものが低いものでした。本来なら、ほとんど
の保護者が望んでいないものを「サービス向上策」とは言いません。しかも、指導員の業務は格段に
増え、準備・実施に加え報告書の提出まで求められています。お弁当の提供や第2土曜日の開所は、
必要な人だけの「オプションサービス」にすれば済むことです。「サービス向上策」そのものを再検
討してください。その際に保護者の意見や子どもの意見を聴きとってください。
[4]放課後対策課は、利用料金について、121件の修正申請があったと議会に報告しました。しか
し、これは”氷山の一角“です。市内の小学生は約6万人。そのうち就学援助受給者は23%、約1万
4000人です。仮に就学援助受給者の4人に1人が放課後児童クラブを利用しているとしても
3,500人(3人に1人なら4,600人)が、利用料無料のはずです。しかし、無料の子どもは
17.6%、1,800人しかいません。反対に、子ども医療費補助制度をはずれる高額所得世帯の子
どもは児童全体の27%、1万6000人います。このほとんどは放課後児童クラブを利用していな
いと考えられますが、仮にこの10分の1が利用していたら1,600人となり、利用者全体に占める
割合は13%程度になるはずです。しかし、現実は月額5000円を払っている人は利用者の
27%、3000人を超えています。本来無料の人が5000円払っているケースが相当ある可能性
があります。市は、申込書の様式や周知の仕方に不備があったことを認めました。来年度の問題にせ
ず、誰一人取り残すことなく、当初市が説明した通りの利用料になるように、保護者へのお詫びと丁
寧な説明をつけた再申請用紙を配布することを求めます。その際、指導員が公務員として適切な助言
ができるよう趣旨を伝え、また適切な助言を行うよう徹底してください。
●外遊びについての要望
[5]2か月に1回程度の「野外活動」(野外イベント)は廃止してください。「放課後児童クラブ運
営指針」では、「放課後児童クラブでは、休息、遊び、自主的な学習、おやつ、文化的行事等の取り
組みや、基本的な生活に関すること等、生活全般に関わることが行われる。そのなかでも、遊びは、
自発的、自主的に行われるものであり、子どもにとって認識や感情、主体性等の諸能力が統合化され
る他に代えがたい不可欠な活動である」(第2章4「児童期の遊びと発達」)としています。ここに
は、遊びは「自発的、自主的」なものであることが明記されています。さらに「他に代えがたい不可
欠な活動」と述べている通り、「野外活動」(イベント)を外遊びの代わりにすることはできません
。しかも、指導員の大変な負担になっています。
[6]全ての施設で外遊びができるように、外遊びができていない一つひとつの施設で、行政が校長、
指導員、保護者と話し合い、4者の合意のもとに、安全を確保した上で、可能な限りの外遊びが実施
できるようにしてください。
●「やめない指導員態勢」づくりにかかわる要望
[7]「やめない指導員態勢」をつくるために、放課後対策課、指導員労組、私たち市連協の3者で定
期的な話し合いの場をもつことを求めます。私たちは保護者団体ですが、長年にわたり指導員の自主
的な研修、「自己研鑚」を支えてきた経緯があります。今年度も、再任用58名を加えてなお64名
の欠員という重大事態で4月を迎えました。その後も4月に4人、5月に5人、6月に6人と退職が
加速しています。「やめない指導員態勢」づくりは一刻の猶予もありません。「態勢」に必要なもの
として、採用試験や面接のあり方、いきなり現場に投入することの問題点などが指導員から指摘され
ています。また、コロナ禍で採用された新指導員の多くは充分な研修さえ受けていません。「このま
までは勉強しなくてもいいと考える指導員になってしまう」「数年もすれば、指導員を指導できる指
導員がいなくなってしまう」という声もでています。保護者から、指導員の粗暴な言動に対する苦情
も増えています。その根底には、子どもを大人の支配物・管理物と見る、「子どもの権利条約」とは
真逆の考えを見て取ることができます。「態勢」として、研修の充実も重要な内容だと考えます。
[8]指導員の処遇改善のために、国が進める「処遇改善事業」や「キャリアアップ事業」が活用でき
たらいいのですが、広島市の場合「6時30分以降」も開所していなければならないとの条件が大き
な壁となっています。先日の懇談の際には、放課後対策課ご自身が「6時30分」条項の削除を国に
要請していることを紹介されました。私たちは9月の議会に、「6時30分」条項削除を国に要請す
る市議会の意見書採択を求める請願を提出します。その際には、採択に大きなご支援をお願いします
。
以上