こんばんは。田中です。
2021年生まれの子どもにつけられた名前。明治安田生命保険の調査によると、男の子は「蓮(れん)」、女の子は「紬(つむぎ)」が一番人気だったそうです。私の名前は「富範(とみのり)」で、過去に一度だけ同じ「富範」さんに出会ったことがあります。宇品にお住いの、20年前すでに高齢の方でした。その方も「初めて会った」と大変感激されていました。模「範」的な生き方をすると「富」に恵まれるという親の願いでしょうが、まったく親不孝者です。
この「富範」は画数が多いので、正直言いまして困っています。仕事で、契約書を作るのに頻繁にこの字を書かなくてはならないので、大変です。私としては「一(はじめ)」がよかったなあと思います。先日、新聞に「田中一」さんという科学者がなくなったという死亡記事が載っていました。実際にいらっしゃったんですね。うらやましい。
みなさんはゴダイゴの「beautiful name(ビューティフル・ネーム)という歌をご存じでしょうか。1979年、国際児童年の協賛歌です。この歌の歌詞は1989年11月に制定された「子どもの権利条約」(11月20日は、条約制定を記念して「世界子どもの日」でした)の考えを学ぶ上でもとても大事だと思っています。
この歌では、「全ての子ども=all children」が名前を持っているとは歌わないで、「Every child has a beautiful name」と、子ども一人ひとりが、世界でたった一つのかけがえのない名前を持っている。その名前の一つひとつを輝かせることのできる社会をつくろうと歌っています。この「子ども一人ひとり」、誰一人取り残すことのない「一人ひとり」というのがとても大事です。子ども権利条約では、子どもはほとんど単数形のchildで登場します。第3条、行政官は子ども施策を考える際は、子どもの最善の利益をまず考慮しなければならない、の子どもの施策はchildrenですが、子どもの最善の利益は単数形のchildです。子どもの権利条約の子どももchildです。
最近、子育て中の保護者が、子どものことで行政に相談に行くと、「そんなことを言ってくるのは、あなただけですよ」と突っ返されるケースがあるとよく聞きます。「一人」で十分なのです。また、1000人もの子どもたちを就学援助から排除しようとしながら、「1000人減ってもまだ政令市で一番の補足率です」と自慢しています。子どもを数だけでみたり、ひとからげにしたりして考えてはならないのです。
一人でも困っている子どもがいたら、行政はその子の最善の利益を実現するために全力をつくす、これが条約の精神なのです。日本国憲法と子どもの権利条約が息づく日本をつくりたいですねえ。(2021.11.
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