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「おいしい」の土台にある“人間”と学校給食センター化

こんにちは。田中です。

 先日、仕事で「奥様」「ご主人様」という言葉を使ったら、「私の夫は”主人“ではありません」とひどく叱られました。まったくごもっともなご意見です。それ以後気をつけています。調べてみたら、「夫」と言う字は「二+人」ではなく、「一+大」でできていて、「大」は大人を表し、上の「一」は武勲の象徴である冠を表しているそうです。「夫」と呼ばれるためには、それなりに評価された大人と言う意味なのでしょう。「夫」になるのも大変です。

 先日、私とは面識もない同僚のお連れ合いさん(いわゆる「奥様」のこと)が、私に「揚げ出し豆腐」と「牛スジ煮込み」をことづけてくれました。「勤めていた飲食店がコロナ感染で休みになって時間ができたから」と言われていました。前にも書きましたが、私は一人暮らしで、食事は自炊。品数貧困、調理は短時間、味はたんぱく、器は2こまで。調理器具はフライパン一つです。同僚が私のつつましやかな生活の一端を話していたのかもしれません。

 それにつけても、わざわざ私のために料理を多めにつくり、届けてくれたそのお気持ちが身に沁みます。他人様の手を通した料理をいただくのは久しぶりです。まことにおいしくいただきました。「おいしい」の気持ちの土台には、作り手という“人間”を感じていることが土台にあるような気がします。

 小学校の給食が、遠くの民間給食センターで作りトラック便で運ぶシステムに変えられようとしています。味も変わらない、アレルギーも大丈夫、衛生管理もしっかりしている、大雨が降っても代替ルートで配達できる…そのうえ安い、と市は言いますが、子どもたちは作り手という“人間”を感じることができるでしょうか。学校給食の教育的意味の根底はそこにあるような気がしています。(2022.1.21)

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