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「にぎわい」と言うなら、市民のふところがにぎわうように

こんにちは。田中です。学童保育から少し離れたお話。

 基町にある広島中央図書館を利用されたことはございますでしょうか。それはそれは、便利な建物で、知りたいことを言えば、本をどっさり持ってきてくれますし、紹介もしてくれます。図書館は、私が勝手に、これが仕事だと言えるものをあげると、図書の閲覧、資料の収集・保存、調査、学習支援でしょうか。

 中央図書館を広島駅前のエールエールA館に移転する計画が発表されました。今の建物は古いので、実は雨漏りもしているそうな。移転か建て替えは必要でした。しかし、今回の計画のコンセプトに「にぎわい」創生が大きく位置付けられています。図書館に人が「にぎわい」に来るでしょうか。「にぎわう」施設が図書館でしょうか。「にぎわい」づくりと図書館は、図書館利用者の私にはイメージが一致しません。

 広島市の街づくりは何でも「にぎわい」づくりです。平和通りの両側の緑地帯も「にぎわい」にして、交流広場やカフェを誘致する計画も発表されました。平和通りの緑地帯には40もの被曝・慰霊モニュメントがあります。いわば、平和公園につながる参道です。慰霊碑のそばで、コーヒーを飲みながら楽しく語らう場をつくれば、慰霊碑の存在はどんどん忘れ去られてしまいます。「にぎわい」は別の場所でもできます。

 「にぎわい」計画には、地元の広島市民がにぎわうことは視野に入っていません。他都市から、または外国から来たお金持ちのお客さんが「にぎわい」を求めて、たくさんお金を使ってくれることを想定した計画です。子どもの医療費補助制度は全国最下位、就学援助は削減し放課後児童クラブは有料化…、その前からほとんどの市民はあまり余裕のない生活です。市民は駅前でにぎわったり、平和通りでにぎわったりしませんし、そんな余裕がありません。市民がそんなところに行かなくても自宅で日常的に、また仲間と楽しくにぎわえるような暮らしをつくることこそ政治の責任だと、私は思います。外からきたお客さんがにぎわうのではなく、市民のふところがにぎわうような市政であってほしい。(2021.11.19)

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