おはようございます。田中です。
ある指導員から、こんな話を聞きましたーコロナ対策で、使い捨ての紙コップを使っている。紙コップで子どもがお茶を飲む。全部飲み干せば問題はないが、半分くらいお茶が残る。しばらく置いておくと、紙コップが柔らかくなってくる。子どもがまた飲もうと、紙コップを持ち上げる時、前と同じ感覚で強く握ってしまい、ぐしゃっと紙コップがつぶれる。お茶がこぼれる。そんな子どもがいる。
ぬれた紙コップは、見た感じ、何となくぬれてるなあ、形も少しぶにょっとしいるなあ、と感じ取れます。持ち上げようとつかんだ瞬間、先ほどとはまったく違う感覚です。これは、「つかむ」と「つぶさない」の微妙なバランスが必要だと、とっさに脳が判断します。そして、そっと持ち上げたり、両手で持ったりなどの行動が生まれます。人間の持つ様々な感覚と筋肉運動が総動員されて、ぶにょッとなった紙コップを持ち上げるのです。
この感覚は、一般には「遊び」の中で獲得されます。何しろ自然界には、触っても、つまんでも、一つとして同じものは存在しません。子どもたちが「遊ぶ」ということは、すべての感覚を総動員して自然を感じ取り、すべての筋肉を総動員して自然をくぐりぬけ、すべての知力を総動員して自然法則をわがものにし、行動に生かしていくことなのです。「遊び」は子どもの主食と言われるゆえんです。このお子さんは、少し「遊び」が足りてないかなあ、と感じました。
保育所で働く妹と話していたら、最近の若い保育士さんは、そもそも「遊び」を知らないと言っていました。昨日お会いした保護者の一人は、今の子どもは「ゴム跳び」をしませんねと言っていました。最近の指導員の先生方はどうでしょうか。(2021.7.13)
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