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はたらく保護者は受益者ではなく“与”益者です

こんばんは。田中です。

 広島市の有料化の理由の説明は、いろいろあって、度々変わりますが、要は「受益者負担」の原則に基づいて「有料化」するのだというものです。働く保護者は、働くことで何か特別な「益」を得ていますか。社会や市にお返ししなければならない「益」を受けていますか。

 社会の富はすべて働く者がつくりだしています。会社の儲けも社長さんの報酬も、市の職員の給与も社会保障費も、学校をつくるお金も道路をつくる費用も、放課後児童クラブの運営費も、みんな働く人が作りだした「益」を分け合っているだけです。働く人が増えれば増えるほど、社会の富は増え、国民が受け取る「益」」も増えていきます。それは、働く者は受益者ではなく“与”益者だからです。

 市は、放課後児童クラブというサービスを受けているから「受益者」だと言いますが、放課後児童クラブは子どもが小さい親が働くために存在しているのであって、社会に富をもたらすために必要不可な存在です。放課後児童クラブがなかったら、働く人は激減し、市の税収が減少するだけでなく、生活保護費や就学援助費などが今よりもはるかに多く必要になります。市長さんや職員の給与も下げなければなりません。広島市こそ「受益者」です。

 放課後児童クラブに関連して言えば、市だけでなくもうひとり重要な「受益者」がいます。それは企業です。放課後児童クラブのおかげで女性を安い賃金で働かせ、「不況だ」「コロナだ」と言っては解雇したり、勤務を減らしたりして雇用の調整弁に女性を活用しています。その一方で、男性には長時間労働を押し付けています。こうして企業は、まともな営業活動以上の収益をあげているのが実態です。放課後児童クラブの最大の受益者は、企業(企業にもいろいろあるとは思いますが、その点は捨象して)です。

 企業、特に大企業に応分の負担を求めれば、どんなに放課後を充実しても「お金がたりない」ということはおこりません…と私は思うのです。(2022.5.14)


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