こんばんは。田中です。
今日は人と会うたびに、オミクロン株感染急拡大が話題になり、「沖縄、岩国は大変だね。米軍の関係?」ともそこら中で質問されました。
沖縄・岩国だけでなく全国の米軍基地で感染が急拡大し、それが基地周辺の街で市中感染の引き金になっています。「市中感染」と言うのは、もうどこで誰から感染したのかわからない、普通に気をつけて生活していたのに感染が広がっているということです。新聞報道によると、沖縄県では、4日に164人の米軍新規感染者を確認。累計3863人となりました。大規模クラスターも発生しています。岩国基地でも5日、新たに182人の感染を確認。沖縄県と岩国市では、同時期に市中感染の拡大がおきています。
米軍基地内での感染拡大の背景には、米軍を超優遇、特権を与えている「日米地位協定」があります。日米安保条約で日本に駐留を許された米軍の軍人と家族、軍属(群をサポートする米国人)の日本での「地位」を定めた、日本政府と米国政府の約束事です。現在、外国に出張に行って日本に帰ってきたら、2週間ほど隔離され感染の有無を確認されます。それを「検疫」といいます。しかし、米軍には「地位協定」によって「検疫」が免除されています。米軍基地を通じて、日本と米国、日本と世界を自由に行き来しています。しかも、来日する米軍関係者は出国時のPCR検査が免除されていました。米軍基地のある主要先進国でそんな国はありません。到着後も5日以内に検査を受ければいい(年が明けてからは24時間以内に変更、しかし時すでに遅し)となっていたため、その間に自由に市中に出歩きます。感染者が基地を経由して街中を歩き回り、または感染していなくても基地内で感染し、感染したままで街中を歩き回ることが許されています。
沖縄県知事は、再三にわたり米軍に「外出禁止」を要請していますが無視されています。日本政府もまったくの弱腰です。岩国基地からは広島市にたくさんの米兵が観光、遊興、買い物目的でやってきます。「地位協定」に基づき、高速料金は私たちの税金から支払われています。ついでに言えば、25人学級の米軍内小学校、教会、ゴルフ場、米軍住宅(高級幹部の住宅はお風呂が3つもあり、リビングだけで25畳もあります)、ズムスタ並みの野球場、喫茶店など、全て私たちの税金です。辺野古新基地も全額税金です。
全国知事会は「日米地位協定」の見直しを求める意見書を採択しています。もうこの問題に保守も革新も中道もありません。見直しを求めるのは当然のことだと思います。(2022.1.6)
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