こんにちは。田中です。
広島市が放課後児童クラブ利用料の有料化について、以下のように議会に提示しました。
(1)金額は所得に応じて3段階になっていますー①就学援助世帯は無料(全体の23%)、②子ども医療費補助対象世帯は月3000円・年36000円(50%)、③その他月5000円・年60000円(27%)。
(2)多子対策として、同時に2人入所の場合は2人目が半額、3人目以降は無料。
市は今回議会に報告したことにより、議会の了承が得られたとして、12月議会には料金徴収システムを提案する計画です。今回の提示で、「これなら払える」「安くて助かった」とお考えになった方もあると思います。そういう方も、「そもそも」論から、改めてお考えいただきたいと思うことが、とりあえず3つあります。
➊就学援助から外される世帯は11万6000円の負担増
広島市は来年度、就学援助制度の見直しを行い、1000人を超える小中学生が制度から排除されます。就学援助制度は経済的に困難をかかえる世帯に、憲法に基づき給食費、学用品、制服、修学旅行費などを支給する制度です。親1人子1人世帯の場合、月の総収入が18~20万円くらいの世帯が制度から外されることになり、平均で年8万円の負担増になります。2023年度からは放課後児童クラブ利用料が月3000円(年3万6000円)かかるようになり、実質、年間11万6000円もの負担増になります。就学援助を受け、放課後児童クラブ無料のもとでも大変な苦労をされている世帯に、あまりにもひどい施策です。
➋利用料はこれまでの予算に加算されるのか、明言せず
市に提出した「公開質問状」で、利用料はこれまでの予算に加算され、サービス向上に使われるのかを問いましたが、市は加算されるのか、されないかの明言はしませんでした。お金に色はついていないので、利用料が増えた分、これまでの予算が減らされる可能性は十分あります。結局、利用料が別のところに使われるのと同じことです。
➌有料化しなければならない理由は不明のまま
市は有料化しなければ「持続的運営が困難になる可能性」がある、つまり放課後児童クラブ事業の停止の可能性さえあるとしていたのに、その根拠を問うと、「総合的に勘案」した結果だとごまかしています。しかも、今後入所希望者が増えるのか減るのか、予算編成の見通しはどうなのかなど将来推計は行っていないとしています。「総合的に勘案」した際の会議のレジュメも添付資料も「存在しない」と公式に回答しています。本当は「勘案」などしていないと思います。(2021.9.20)
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