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園庭なしの民間保育園を残すため、充実した公立を減らす

 おはようございます。田中です。

 昨夜は、広島市公立保育園保護者会連絡会が市に署名を提出し、市の「保育ビジョン」(保育行政の長期計画)について、市担当課と議論しました。保育行政は、学童保育行政の先行事例になることが多いので、私も参加させていただきました。東区連協の元会長さん、庚午保護者会の元会長さん(ご近所さんです)など、お久しぶりの方にも会いました。議論になったことをまとめますとー

 第1に、保育の課長も、3歳からの保育料無償化にともない、市には32億円の財源が生まれていることを認めました。課長は「32億円」と金額まで明言しました。では、それをなぜ子どものために使わないのか、市は何にそれを優先して使うつもりなのかは「知らない」と無責任な発言をしていました。放課後対策課と同じです。

 第2に、子どもが減るから公立保育園を減らす理由を、「民間保育園の経営を守るため」としていることに、質問や意見が出ました。民間には園庭もない保育園もたくさんあります。保育士の体制は最低基準で、火災や災害時に子どもを守れるとは限りません。そんな民間を守るために、保育士の体制も充実し、園庭もあり、保育実践でもリードしている公立保育園を減らすというのですから、「お金より先に、子どものことをまず考えてほしい」という声が出るのは当たり前です。これは、将来、学童保育でもでてきます。

 第3に、各区に「拠点施設」を設け、障害児の受入れ、地域との連携、周辺施設への支援を行うという計画についてです。「周辺施設への支援」以外はすでにすべての公立保育園が実践していることです。「障害児は拠点施設で受け入れます」となったら、遠くなるし不便です。しかも、「拠点施設」の体制は、格段に充実しているのかといえば、他と同じです。まったく、意味不明です。「拠点」以外は、パート勤務でつなぐ保育にするのではないかと推察しました。

 第4に、「幼保一元化」という言葉を聞かれたことがあると思いますが、幼稚園と保育園の合体施設です。これは内閣府が要になって、文科省所管の幼稚園と厚労省所管の保育園を合体させた「認定こども園」をつくる計画です。一つの施設で、お昼寝をせず帰る子どもと、その後も夕方まで残る子どもがいることになり、子どもにとって不安をかきたてるだけです。まったく機能が異なる施設を合体させれば、必然的に起きる問題です。

 実はこの文科省・厚労省合体施策は、学童保育でも進められていますが、もっと別の深刻な問題を含んでいます。今日はもう長くなりましたので、またの機会に。(2021.12.23)

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