おはようございます。田中です。
イギリスのグラスゴーで、COP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)が行われています。2030年までに二酸化炭素などの温室効果ガス排出量を2010年比で半減させ、2050年までに実質ゼロにしないと、地球の生態系そのものが破壊され、生物大量絶滅にもつながりかねないと警告されています。今の子どもたちに、私たち大人が、命のゆりかごである地球を残せるかどうかの瀬戸際です。2030年まで、あと8年と数か月しかありません。
先進国は、次々と2030年までの温室効果ガス削減目標を打ち出し、最も排出量の多い石炭火力発電からの撤退を表明しています。2022年はフランスが撤退、2024年はイギリス、2025年はイタリア…少し遅れますが、2035年にはアメリカも撤退の予定です。ところが、日本は2030年の削減目標は、2010年比でわずか42%。石炭火力発電を日本のエネルギーの2割とするとし、今後新たに9基増設する計画も進行中です。しかも、その「42%」の実効性が極めて乏しい具体策です。合わせて、原子力発電所は、いま停止しているものを全て稼働させるという計画です。日本の態度は狂気の沙汰です。
国連のグテーレス事務総長は、地球の現状を「Code Red」(コード・レッド)と述べました。すでに「地球が火事になっている」という意味です。日本の政府は、アメリカにも頭が上がらないけれど、日本の財界にもまったく物申すことができないことがよく表れていると思います。岸田新首相は「新しい資本主義」をつくると言っていますが、まさに今、資本主義が地球の火事を消すことができるのか、地球と人類の危機を救える仕組みなのかが問われています。
2018年、国連気候変動サミットで、スウェーデンのグレタ・トゥンベリさんが行ったスピーチを英文で、辞書を引きながら読みました。グレタさんは、科学はこのままでは生物の大量絶滅が起きることをcrystal clear(クリスタル・クリア、明々白々)にした。それなのに、あなたたち(各国首脳)は、ここにお金の話をしに来たのか、経済が永遠に発展するというおとぎ話をしにきたのかと問いかけています。How dare you! わざわざ何をしに来たのかと強烈な怒りをぶつけています。
このグレタさんのスピーチと、韓国のボーカルグループBTSが発信した「自分自身を語ろう」のメッセージは、大学の入試問題や高校の授業でも使われています。(2021.11.4)
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