こんにちは。田中です。今回は、最初の段落は漢字が多いけど、我慢して次の段落まで進んでください。
大阪府守口市の放課後児童クラブは、広島市と同じ公立で運営されていましたが、2019年4月、株式会社共立メンテナンス(社員寮、ホテル、高齢者施設など経営)に業務委託されました。民営化です。公立の時の指導員の雇用がそのまま共立メンテナンスに引き継がれました。2020年3月、会社は13人の指導員を「会社に反抗した」と解雇。現在、10人が解雇撤回を求める裁判中です。また、会社は指導員労働組合の団体交渉の要請も拒否。大阪府労働委員会は不当労働行為として認定し、このほど、会社が労組に対して謝罪文を提出し謝罪しました。
民営化後、保護者の声もたくさん報道されてきました。「委託された企業からあれもダメ、これもダメと制限がかかり、これまでと同じように行事や保育が行えなくなっていました。まったく雰囲気が変わってしまい、あんなに学童が好きだった子が行きたがらなくなりました」、「上の子2人も学童に行き、家庭だけでは経験できないことをたくさんさせてもらったので、末っ子にも行かせたかった。でも、今はただ預かればいいという場所になってしまいました」などなど。民営化を境にすっかり変わってしまったことがうかがえます。
この13人の中には、大阪府知事が行う指導員が必ず受講しなければならない認定資格研修の講師が3人もいます。指導員としての知識も技術も資質も府が認定した折り紙付きの指導員です。会社は儲け優先でも、指導員は子どもの「最善の利益を優先」(児童福祉法)が当たり前で、それでこそ専門性が認められた指導員と言えます。
民営化では、会社の「優先」と指導員の「優先」が必ずぶつかります。雇い止めは守口市だけではありません。全国の民営化された放課後児童クラブで相次いでいます。(2021.7.7)
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