こんばんは。田中です。
新型コロナのオミクロン株がまた広がり始めました。一昨年2月末、「中国新聞」から一斉休校についての見解を求められたとき、いまやるべきはPCR検査だと話しましたが、残念なことに、あれから2年になろうとしているのに生命力を失わない談話になってしまいました。急いで、何度でも無料でできるPCR検査の拡大、医療機関や感染者の療養施設の整備などが必要になっています。ワクチン3度目摂取も急がれます。
さて、コロナが終息すれば、数年はかかっても経済は復興するでしょうが、子どもの発達はどうでしょうか。この瞬間に失われた時間は、もう返ってきません。小さい子どもは、大人や友だちの表情を見て、人の心と言葉をつなぎながらコミュニケーション能力や共同する力をたくわえて行きます。少し大きくなると、じゃれ合って、お互いのぬくもりやぶつかり合う痛さも感じながら成長していきます。マスクで表情を隠され、「3密」禁止では、太い発達のルートが奪われています。子どもは「3密」の中で育つのです。
特に失われているのは『あそび』です。「3密」になってはいけないと、制限だらけになっています。全国の指導員は、感染予防をしながら安全に行う『あそび』を次々と編み出してきました。「3密」ならぬ「3散(分散・拡散・発散)遊び」「変形しっぼとり」「『隠れない』かくれんぼ」…(具体的な内容はネットで調べてください)。アベノマスクにデザインしたファッションショウもありました。「いかだ」2021年秋号では「ボールおにご」を紹介しました。
『あそび』は子どもの発達保障の最も大切なツールです。『あそび』が失われたままで発達は保障できません。小児科医学会も「遊びは子ども主食キャンペーン」を呼びかけています。だから『あそび』は子どもの権利です。子どもの権利条約31条には権利としての『あそび』が明記されています。70年前できた「児童憲章」にも書かれています。『あそび』を保障することは人権保障であり、『あそび』が失われるのは人権侵害です。
指導員の努力はもちろんですが、運営主体である市(放課後対策課)がイニシアチブを発揮して、今こそ『あそび』の復興を呼びかけます。(2022.1.4)
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