こんにちは。田中です。
広島市は利用料有料化の計画推進にあたり、過去5年間の資料を出して、入所希望者がどんどん増える見通しだから「有料化」が必要と言っています。ただし、どれだけ増えるのかなどについての将来の推計は行っていないとしています。
2015年に対象を6年生にまで拡大したことにより、放課後児童クラブの入所希望者は確かに増えています。しかし、その増え方は鈍化し始めています。2016年度は前年度より1001人増、2017年度は1109人増、2018年度は810人増、2019年度は1011人増と、ここまではおおむね1000人ずつ増えていますが、2020年度は全国一斉休校の影響もあり前年比63人増、2021年も513人増にとどまっています。
また、国勢調査などを基にした広島市の人口動態推計によると、0歳から14歳までの人口ですが、2015年16万6000人、2025年15万6000人、2030年14万9000人と着実に減少していきます。
放課後対策課の議会への報告書類によると、2021年時点で確保している定員は約1万6000人分。それに対し、実際の入所者は1万2000人。4000人の余裕があります。地域ごとの人口の不均衡もあるので、単純には言えませんが、すぐに爆発的な増設、指導員の確保が必要になるとは考えにくい状況です。2023年度「有料化」の理由が成り立たないのではないかと思います。
一方、広島市が今年3月に策定した「広島市幼児教育・保育ビジョン実施方針」には、「今後もさらに乳幼児数は減少し続ける見込みで、女性の就労割合が増加することを見込んでも、数年後には幼児教育・保育全体の需要も減少に転じることが予想される」と明記しています。保育園に入る子どもが減少していくので、公立保育園の統廃合が必要だとも述べています。そんなに減少が見込まれるのなら、保育園につづく放課後児童クラブの入所希望者も「減少に転じることが予想される」と考えるのは普通ではないでしょうか。
7月31日、8月1日と広島市内で「第53回全国保育団体合同研究集会」がオンラインと現地参加で開催されました。学童保育も実行委員会に入っていますが、コロナ禍で規模が縮小され、学童保育の分科会は、今年はありませんでした。ここで交流される保育実践と保育の充実を求める取り組みには、大いに学ぶべきものがあります。広島市での私たちの活動も、市内の保育運動から学んだことがたくさんあります。また機会があれば紹介します。(2021.8.2)
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