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有料化に「ちょっとだけ賛成」という方と一緒に考える

 昼間は汗をかくほど暑くても、明け方は寒いくらいの季節になりました。呼吸器、循環器がちょっと弱いという方、お気を付けください。私の同僚も、この季節、よく喘息発作を起こしています。人間は、朝から晩まで暑いよりも、寒暖差には意外ともろいようです。

 さて、広島市が放課後児童クラブの利用料有料化の具体的な計画を提示し、新聞でも報じられたことで、これまで「少しくらいならいいんじゃない」とお考えだった方からも、「えっ、本当に有料化するの?」「なんか、イヤだなあ」という声が届いてくるようになりました。市連協は、「有料化」しなくてもサービス向上の財源は十分にあることを具体的に示し、また過酷な負担増で入所できない子どもが生まれることから、「有料化」には反対であることに変わりはありません。同時に、その見解を押し付けず、「有料化」に「賛成」「ちょっとだけ賛成」「しかたないから賛成」という方とも、情報を共有しながら、一緒に考える取り組みを進めていきたいと思います。

 今日は、その中の一つ、「受益者負担」について考えます。これは、政府や自治体が教育負担を増やし、社会保障を削る時の常とう文句です。これを言えば市民はひれ伏すと考えているのかもしれません。「有料化」でも、この論理をテコにしています。

 「受益者負担」は第1に、「サービスの対価は払うのが当たり前でしょ」という“商売”の論理です。今回提示された利用料金は0円・3000円・5000円の3段階で、7つのサービス向上策を掲げています。しかし、「受益者負担」の論理でいけば、今後、サービスが向上するたびに料金引き上げがまかり通ることになります。しかも、市はサービス向上に必要な費用の2倍の金額を徴収しようとしています。

 第2に、この論理は「お金を払えないものは出ていけ。来るな」というものです。現に、経済的理由で入所できない子どもが生まれても、救済しないことを担当課は明確にしています。

 サービスが向上すればするほど、利用料金はますます高くなり、利用料金が高くなればなるほど、入所できない子どもが増えていく…。「受益者負担」は恐怖の論理です。国民主権のもと、私たちの税金で運営される「政治」はこれでいいのでしょうか。今はよくても、次の機会、または次の世代では、あなたのお子さんやお孫さんは放課後児童クラブにも入れない時代が来るかもしれません。(2021.10.6)

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