おはようございます。田中です。
新型コロナは、新しい変異体「オミクロン株」の出現で、超高速の感染拡大を続けています。「中国新聞」(2022年1月15日付)によると、広島市立学校では、昨年12月31日に約2か月ぶりに中学生1人の感染が判明して以後、今年に入り1月11日には、児童生徒・教職員37人が感染、13日には児童生徒192人、教職員17人、計209人の感染者がでています。増え方が尋常ではありません。県教育委員会は、休校措置などの基準として、①一つのクラスに複数人の感染の場合は「学級閉鎖」、②複数の学級閉鎖があれば「学年閉鎖」、③複数の学年閉鎖があれば「臨時休校」としています。13日時点で、すでに県内の小学校10校、中学7校、特別支援学校1校1校が臨時休校となっています。
広島市教育委員会は、この事態に対して、今後の対策として「接点のない別のクラスなど、散発的に発生している。消毒や換気、登校前の健康観察など、基本的な対策を引き続き徹底するほかない」としています。これは、あまりに消極的です。コロナウイルスに、「もう打つ手なし。あとはなぐれるだけなぐってくれ」と言っているようなものです。
私たち市連協は、政府が「ワクチン接種が広がっているから、もう大丈夫」と言い続けてきたときから、その非科学性を明らかにし、放課後の子どもたちと指導員の命を守り、学童保育の社会的機能を維持するために積極的な提案を行い、市に実施を要望してきました。かいつまんで紹介すれば、〇すべての子どもに検査キットの配布、PCR検査の定期的な実施、基礎疾患を持つ子どもへの対策、〇指導員への定期的なPCR検査の実施、〇保健室との連携など。指導員へのワクチン優先接種は、要望が実り実現しました。
さらに、子どもの感染にともない仕事を休まなければならない保護者を守るために、〇「小学校休業等対応助成金・支援金」など支援制度の指導員、保護者への徹底、〇保護者が安心して、有償で仕事を休めるよう、市長、教育長から市民と事業者にメッセージ発信。
あわせて、コロナ禍にあっても子どもの発達・成長を保障するための最低限の措置として、〇新しい玩具や図書をそろえるために思い切った財政措置、〇面積基準を1.92に拡大し定員を30人未満にすること、〇あそび場や行事開催のために校庭とともに体育館の解放、〇指導員の実践交流会の開催、〇指導員への「慰労金」の支給。
この要望の土台には、感染を予防することと同時に、いま急いで子どもの「遊び」を復興させなければ取り返しがつかなくなるという“子ども認識”があります。子どもは「遊び」の中でこそ育ちます。それが封じられたままでは、発達のゆがみや遅れ、弱さを背負ったままの子どもたちが、層をなして子ども期を通り過ぎてしまうことになります。この要望を改めて市に届けたいと思います。(2022.1.17)
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