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頭が痛いとき、ぼくらは死を考える…

こんばんは。田中です。

 今日は8月6日。広島被曝76周年です。

 私が進学のため広島に来た年は、第1回国連軍縮特別総会がニューヨークで開かれるということで、大学からも代表を送ろうという運動が取り組まれていました。“国連総会に大学から代表を送る”という意味がよくわかりませんでしたが(説明すると長くなるので割愛します)、私もすぐにその取り組みに参加しました。その後、平和公園で修学旅行の生徒さんなどに慰霊碑や遺構を案内するボランティアにも参加しました。今も要請があれば、出かけています。せっかくヒロシマに来たのだから、少しでも“ヒロシマ”を学び、実感できたら、また、自分も少しでも平和に貢献できたらという思いです。

 でも、本当に原子爆弾の恐ろしさを知ったのは、別の大学に通う被爆2世の友人の話を聞いた時でしたー田中君は頭が痛い時、「カゼかな?」って思うでしょ。ぼくらは違う。ぼくらは、小学校中学校の時、毎年のように同級生が白血病で亡くなった。頭が痛い時、どうしても「次は自分の番かもしれない」という思いが頭をかすめていく。それは、どうしようもない恐ろしさだよー。たった1発の核兵器から降り注がれた放射線が、その時にはまだ生まれてさえいなかった人の体と心、人生そのものをむしばんでいく。彼の話に、一言も声を出すことができず涙を流すしかありませんでした。

 1980年代、被爆2世の彼の親の世代、つまり被曝者が急性白血病を発症するということがよくありました。私も彼に頼まれて、血小板輸血の適合者か調べてもらい、輸血に2度ほど協力しました。右手から血をとって、機械のなかで血小板だけを取り出し、残りを左手からもどしていくというもので、1時間以上かかったように思います。2度目の時、病院を出た直後に、植木に左手をこすってしまいました。そのひょうしに輸血で針を刺していた箇所から血があふれ出しました。輸血直後で血小板が激減していたため血が止まらないのです。小さな傷口からあふれるように血が流れ出ました。白血病の恐ろしさも味わいました。今回は、平和の話オンリーです。(2021.8.6)

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